【第1152回】『007 スペクター』(サム・メンデス/2015)


 通算24作目となる007。ジェームズ・ボンドがピアース・ブロスナンからダニエル・クレイグになったことで、一番顕著だったのは「英国回帰」であろう。サム・メンデスが打ち出したのは、アナログ回帰な英国紳士の魅力である。『M:I』シリーズよろしく、みんなで頑張ろうを旗印に、新MやQやマネーペニーも次々に登場する設定こそが監督の真骨頂である。冒頭の野心的な長回しや、陰影に彩られた悪の親玉の顔が見えない撮影スタイルは全てホイテ・ヴァン・ホイテマによるものだが、それ以上に我々観客を深い感慨へと導くのは、サム・メンデスの過去の007シリーズへの目配せときめ細やかな引用である。冒頭のメキシコ・シティの死者の日の祭典の上空で行われる華麗なヘリコプターでのアクションは『ムーンレイカー』を想起させる。中盤の処刑椅子とペルシャ猫のイメージは『サンダーボール作戦』の変奏に違いない。レア・セドゥの雪山の上に立つ診療所の造形には『女王陛下の007』を思い出すし、寝台車での乱闘の場面は『ロシアより愛を込めて』を真っ先に思い出す。そういう丁寧な引用とテキストの参照が非常にきめ細やかで素晴らしい。監督の007愛を感じる。

 その存在をすっかり忘れていたMr.ホワイトの登場にもびっくりしたが 笑、それよりも際立つのはエルンスト・ブロフェルドの久方ぶりの登場である。『007は二度死ぬ』でのドナルド・プレザンス、『女王陛下の007』のテリー・サヴァラスの奇怪なイメージを形成した秘密結社スペクターが、21世紀に再び顔を出す斬新な展開を主軸に据えながらも、00部門の閉鎖に圧力をかけるCの存在が、脚本の構造上、重層的に絡む。英国紳士のダニエル・クレイグの対立軸にオーストリア人クリストフ・ヴァルツを据え、そこにWWEのスーパースターだったバティスタをかませる敵の構造、イタリアの悲しき未亡人モニカ・ベルッチ(ほとんど出番がない 笑)、英国紳士にとって永遠の憧れであるフランス人レア・セドゥ(大胆な脱ぎっぷりで知られるが今回は脱いでいない)などの人物の配置も順当かつ鉄板な流れをしているし、クリストフ・ヴァルツ(途中から萩原流行にしか見えない 笑)の顔の上半分をまったく動かさず話す拷問シーンの残酷さ(先端恐怖症の方は注意)には、タランティーノ・ファンも思わずニヤついてしまう。

 相変わらずMの言う事を聞かないダニエル・クレイグの人格破綻者ぶりも必見だが、それ以上にタブーに首を突っ込むのはボンド出生の秘密である。前作でもさりげなく明かされていたものが、今作でも大きく開示されたことで、今後のシリーズにミステリーのスパイスが生まれた。だが高額で貴重なアストンマーチンDB10をあっさりと海に水没させ、代わりに『ゴールドフィンガー』でボンドが愛用したDB5に回帰する真に後ろ向きなアイロニーを包括したエンディングを、我々世代が熱狂的に受け入れた。最後の最後に007ファンにとって重い十字架が用意された今作で、ダニエル・クレイグのボンドも遂に見納めとなるらしい。

【第1139回】『ラン・オールナイト』(ジャウム・コレット=セラ/2015)


 殺し屋として闇の世界に生きるジミー(リーアム・ニーソン)は、仕事のために家族を捨て、一人息子のマイク(ジョエル・キナマン)とも疎遠になっていた。しかし、ある日、殺人現場を目撃して殺されそうになっていたマイクを救うため、NYを牛耳るマフィアのボスの息子ダニーを射殺してしまう。ボスのショーン(エド・ハリス)とは固い絆で結ばれた30年来の親友だったが、息子を殺されたショーンは、嘆き、怒り、ジミーに宣告する。「お前の息子を殺して、お前も殺す」と。朝が来る前にジミーたちを葬ろうと、ニューヨークは今、街中が敵となった。父と子の決死の戦いが始まる─。冒頭、リーアム・ニーソン演じるジミーの境遇は実に孤独で寂しい。ベトナム戦争では特殊部隊として活躍し、帰国後アイルランド系マフィアに雇われる殺し屋となり、20人以上もの人間を殺してきた。そのため、既に初老になる年齢にも関わらず、家族にも疎まれ、半ば絶縁されている。マイクは父親をほとんど知らないまま育ち、ボクサーを目指す父親のいない貧困家庭の子供にボクシングを教えている。彼は同じニューヨークに住む父親を徹底的に嫌い、父親との一切の思い出さえ断ち切って生きている。

 今作において最も重要なのは、アイルランド系マフィアの掟である。マフィアのボスであるショーンとは共に戦地で戦った戦友であり、今はニューヨークの暴力に塗れた歴史の生き証人である。マフィアにおいて忠誠とは何よりも重いボスと自分との契りである。だからこそジミーは息子のサンタ役の無茶振りにも嫌々応じ、クリスマスに嬉々として登場する。そんな父親とは対照的に、息子は父親の足跡を見ないように堅実に生きている。おそらく昼間は背広を着た別の仕事をしながら、夜もハイヤーの運転手として二重仕事をしてまで、娘たちを扶養しようとしている健気な父親である。それが何の因果かある夜、この街の触れたくない因果に巻き込まれてしまう。アイルランド系マフィアのボスであるショーンもショーンで、息子のダニーとの間に、マフィア同士のどうしようもない隔たりを抱えている。今作においてエド・ハリスが演じるのは、70年代に隆盛を誇った実在のマフィア・グループである「ヘルズ・キッチン」を仕切っていた“ウエスティーズ”という組織の人物から着想を得ている。今は表向き堅気の商売をしながら裏社会を牛耳っているのだが、息子はそれが気に入らない。彼はヤクを売りさばき、手っ取り早く稼ごうとするが、ことごとく父親に止められる。この敵味方両者の、父と子の葛藤こそが物語の根幹にある。

 事件の発端となったダニーの隠れ家での壮絶な打ち合いから、息をもつかせぬアクション・シーンの連続が素晴らしい。マイクの部屋、続いてジャウム・コレット=セラお得意のカー・チェイス(それも殺し屋がパトカーを追う斬新さ)、地下鉄での追いかけっこ、そしてブルックリンの低所得者向けの巨大アパートでの夜の打ち合いが実に新鮮で目が離せない。NYの地下鉄の中での攻防に始まり、深夜の低所得者向けアパートの周りにヘリコプターを飛ばし、スコープ・ライトで2人の姿を照らす姿はもはやアクションの名人級である。火事場での死闘の後、烈しい雨が降って来る奇跡も手伝い、列車の停車場での夜の死闘はまさにジミーとショーンの見せ場であるが、くぐって来た修羅場の違いからか、随分あっけなく勝負がついてしまう。逆説的だが、ここでもエド・ハリスの死に様はあまりにも素晴らしい。だがショーンに雇われた殺し屋アンドリュー・プライス(コモン)の狂気に満ちた思いに油断していた親子は一転、森の中に追い詰められる。クライマックスの銃撃シーンはやや様式的すぎるきらいはあるものの、近年のアメリカ産ガン・アクションにありがちな闇雲な乱射はない。そこにあるのは、敵に当たったのはマイクの弾ではなく、ジミーのものであるという明確な印となる引き算の銃撃戦なのである。

しほりん24歳の誕生日おめでとう!!

しほりん24歳の誕生日おめでとう!!

今年は書かないと見せかけて、1年に1回のお祝い事だから、思わずペンを取らずにはいられなかった 笑。
遂にしほりんも24歳になったんだと思うと、随分と感慨深い。
自分が最初にしほりんの存在を知ったのは14歳の頃、確か今ぐらいの季節だった。
あれから10年間、ずっと親戚の子供を見つめるような目で見守っていたから。

遅くなってしまったけど、すみれちゃんの生誕祭お疲れ様でした。
AKB劇場で7期生が1人もいなくなってしまったことも衝撃的だったけど、
まさかのあのすーちゃんまでも引退するなんて思わなかったし、心の準備も出来てなかった。
今の勤務は激務だからまさか・・・とは思ったけど、親友のためとはいえ、公演全編に出るとは思わなかった 笑。
本当に頑張り屋さんで、仲間思いのしほりんの性格が溢れ出た瞬間だったね。

最近の公演はよくわからないんだけどさ、『ただいま恋愛中』のフリの大きさに
あぁ俺が好きだったしほりんが帰って来たと惚れ惚れしながら見つめた。
1曲目こそ途中のフリが怪しかったけど 笑、
キビキビした動きは正直、現役メンを凌ぐパフォーマンスだったね。お疲れ様!!

2曲目の『スコールの間に』にはかなりブチ上がったよね 笑。
あの曲ってA5以外で観れるのは本当にレアだよね 笑。すーちゃんの選曲もかなりツボだった。
『鏡の中のジャンヌ・ダルク』で総監督としほりんが一緒に演じる姿を見て、感無量だった。
でもジャンヌか〜と半ば落胆しながら、
『純愛のクレッシェンド』で再登場した時は驚いたけど嬉しかった。
す〜ちゃんとあやりんと3人で着た純クレ衣装は一生の思い出だよね 笑。
次の『心の端のソファー』も大好きな曲だから、10分近くずっと至福の時だった。

最後の『10年桜』にはやっぱりこの曲かと、しほりんの卒業公演を思い出しながら見つめた。
また『10年桜』の頃に戻って、しほりんのことをもう一度一から応援したいけど、
残酷なことに過ぎ去った季節はもう元には戻らない。

グループの応援をしていた頃は、しほりんのことに夢中になり過ぎるあまり、
時としてファンとしての領分を超えたところに足を踏み入れたこともあった。
チームKに行って、なかなか自分のやりたいことに結びつかないしほりんの姿があって
プレッシャーをかけないようにしないといけないと自分自身を戒めていたんだけど、
その度に焦りや苛立ちを20歳そこそこの子にぶつけていた。
どんどん重い文面になってしまっている自分にほとほと嫌気が指して、AKBから距離を置いた。

未だにその時の自分の判断を悔いるよ。
最初に好きになった頃のように、もっと気軽に応援出来ていたら良かったんだけど、
まーちゅんとか須田さんとか他の子と比べてしまって、
焦ることが多くて気詰まりで居た堪れなくなった。

もう暗い話はやめようか 笑。

インスタは日々見てるよ!!
自分も昨年の夏ぐらいからとにかく仕事が忙しくて、副業もやることがいっぱいで
ブログの更新はとんと疎かになってしまってるけど、しほりんの更新は毎日楽しみにしてる。
今くらいの更新の頻度が自分にはちょうど良いかな 笑。
便りがないということは元気なんだろうなと理解してる。

航空会社の仕事は大変なんだろうなぁと思いながらいつも見てる。
夢のある仕事だけど、接客業は思いの外、神経がすり減るよね 笑。
でも社内の同期の女の子たちと撮った写真を見てると、凄く良い環境でイキイキして見えるよ。

恋愛はしてる 笑?もうアイドルを卒業して随分経つんだから、ちゃんと恋愛しないとダメだよ 笑。
良い人がいないなら、もっと目を見開いて探さないと、お嫁に行きそびれるよ 笑。
仕事や友人には恵まれていても、元ファンのおじさんはそこだけが心配←

自分も社会人になりたての23,4の頃を思い出すと、とにかく人生が楽しかった。
まだまだ経験は未熟だけど、先のことが予測出来ない面白さがあった。
仕事でも恋愛でも、今は何も恐れることはないし、勇気を出して1歩踏み出してみると
自分の人生が何倍にも輝いて見えるはず。
男と女はちょっと違うかもしれないけど、人生の先輩からのアドバイス 笑。

あと若い時はお金をバンバン使ったほうがいいよ 笑。
若い時のお金と、年取ってからのお金はまったく意味合いが違うから。
経営者じゃないのである程度の経済感覚は必要だけど、
とりあえず20代の時は欲しいものを我慢し過ぎないことが大事。

しほりんは臆病なところがあるから、いちいち考え過ぎてないか心配 笑。
ファンを裏切らないようにって自分を枷に嵌めていないかも心配。
そんなこと気にする必要はまったくないんだからね 笑。

とにかく24歳は何でもやって、後悔しない毎日を過ごして下さい。
しほりんが幸せに元気に暮らしていることが、こちらは何よりも幸せなのだから。

あらためて、しほりん24歳の誕生日おめでとう!!

2018年1月総括

2018年1月の5本(映画)
『DETROIT』(キャスリン・ビグロー)
『キングスマン:ゴールデン・サークル』(マシュー・ヴォーン)
『ロスト・シティZ 失われた黄金都市』(ジェームズ・グレイ)
『わたしたちの家』(清原惟)
『M/OTHER 』(諏訪敦彦)
順不同

2018年1月の5冊(本)
『中動態の世界 意志と責任の考古学』(國分功一郎)
『批評について: 芸術批評の哲学』(ノエル・キャロル)
『お金2.0 新しい経済のルールと生き方』(佐藤航陽)
『日本再興戦略』(落合陽一)
『現代日本の批評 1975-2001』(東浩紀)
順不同

2018年1月の0曲(M.V.)
順不同

2018年1月の3枚(アルバム)
平賀さち枝とホームカミングス / カントリーロード/ヴィレッジ・ファーマシーEP
青い果実 / AOKAJI
Nightmares On Wax / Shape The Future
順不同

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