【第14回】『マジェスティック』(リチャード・フライシャー/1974)

久々に観たけど最高だった 笑。

何と言っても農夫vs殺し屋の闘い。これに尽きる。
ブロンソンが生涯演じた中でも、極めて異色なキャラ設定。

普通は主人公はヒロインや子供や親友が殺されて復讐に走るはずだが、
スイカの収穫期で一攫千金を夢見たのに銃を乱射され、
粉々に砕け散ったスイカを見て拳を強く握り、復讐を誓う 笑。

あまりにもB級映画だが、そこがまた堪らなく愛おしい。

犯罪小説の巨匠エルモア・レナードの手掛けた小気味良い物語を
アクの強い悪役の個性そのままに上手く引き出したフライシャーの手腕。

マジェスティックとレンダの初めての対面シーンで
悪役のレンダは無表情にウィンナーを床に落とすからね 笑。
その一瞬でレンダの冷酷さと憎めなさに観客はあっという間に引き込まれてしまう。

農道、刑務所、護送バス、それぞれの場面の演出も良い。
カーチェイス、銃撃シーンのショット割りの上手さはシーゲルと双璧。

特にラスト前のカーチェイス・シーンの活劇性は流石の一言。
3台の車に追い込まれるんだけど、用意周到なやり方で1台ずつ潰して行く。
デコボコの荒れ地を揺れながら走りつつ、
西部劇のような的確なショット構成で魅せる様は職人監督としての力量に大いに唸らされる。

酒場でチャベスがトイレに入った瞬間に、小競り合いが起きて
出て来た時にレンダが大の字になっているところなんて実に上手い。
まさしく50年代を知るものの華麗なる手さばきだろう。

ラスト・シーンのマジェスティックとレンダとコバスの対比も圧巻。
舞台装置となる山荘、三者三様の心理戦、的確なショット構成
どれをとってもまったく抜け目ない。

ブロンソンもレッティエリもコスロも、この頃の俳優はもれなく顔がいい。
ハンサムとか美形とかそういうんじゃなく、顔としか言いようがない男性的な魅力に溢れ、
フレームに収まる顔面が妙に印象に残る。

これだけの場面転換のある物語をあっという間に淀みなく語る1時間40分。
まさにハリウッド黄金時代を知る職人監督としての誇りが胸を打つB級大傑作。

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