【第1回】『ジュリアン』(ハーモニー・コリン)

何かゴダールの新作を前に振り返る必要がある気がして、
10数年ぶりにDVDを引っ張り出して観たが、まったく乗れず 笑。

ポートレートをつなげていくことと
ショットとショットをつなげることの意味はまったく違うということを
この人はまったく理解出来ていない。

フレームの外に向かう力があることも、
枠の外に活劇があることもまったく理解せず、
精神分裂病の人間とその家族のドラマを、役者に委ねることで即興的に進めて行く。

その結果として、こういう支離滅裂な映画が出来上がりました。
新しいよね、僕って才能あるよねと言われても何だかなぁという感じしか残らない。

手ぶれ、隠し撮り、粒子の粗い映像と
映画というよりもこれはM.V.の範疇の作品の域を出ていない。

母親がいなくなって、家族全員がおかしくなる話を撮るのならば、
正気だった頃から撮り始めなければ意味がない。

90年代にはその目新しさもあって、時代の寵児ともてはやされた作品だが、
モレッティの『エイプリル』やフォン・トリアーの『イディオッツ』と並んで
時代が一周しただけで、その強度がゼロになってしまった映画。ホントろくでもない

明らかに自分の70年代の傑作群のフォロワーである若者を前にして、
現場でヘルツォークはどう平常心を保ったんだろうな 笑。そっちの方が気になる。

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