2016年新作映画ベスト10

2016年新作映画ベスト10
①『ハドソン川の奇跡』(クリント・イーストウッド/アメリカ)
②『キャロル』(トッド・ヘインズ/アメリカ)
③『アンジェリカの微笑み』(マノエル・ド・オリヴェイラ/ポルトガル)
④『ザ・ウォーク』(ロバート・ゼメキス/アメリカ)
⑤『シング・ストリート 未来へのうた』(ジョン・カーニー/アイルランド)
⑥『ディストラクション・ベイビーズ』(真利子哲也/日本)
⑦『母よ、』(マルコ・ベロッキオ/イタリア)
⑧『手紙は憶えている』(アトム・エゴヤン/カナダ)
⑨『ブルックリン』(ジョン・クローリー/アイルランド)
⑩『シン・ゴジラ』(庵野秀明/日本)

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新作のベスト10については毎年のことながら、小一時間悩んだ。私は基本的にメモ魔ではないが、記憶の海馬を頼りに思い出せるところからピックアップされた作品こそがラインナップに相応しいと言い聞かせた。今年は600本強の新作を観たが、心に響くものは決して多くなかった。劇場で観た回数ならばこの中では圧倒的に②と⑩なのだが、リピートしなかった③や⑧も忘れがたい印象を残す。毎年思うことだが、ベスト30のラインナップならば問題作が多数含まれるが、ベスト10と言われるとこのような布陣にならざるを得ない。とうとうフランス映画が選から消えているものの、ヨーロッパ映画のクオリティには相変わらず厚い信頼を寄せている。今年はその中でも2本のアイルランド映画が突出した印象を残す。2本とも主人公の兄姉が深く印象に残った。国を去る者がいれば、同時に国を守る者もいる。去る者と留まる者の対比が一際印象に残った。残念ながらエドワード・ズウィックの『完全なるチェックメイト』やジャウマ・コレット=セラの『ロスト・バケーション』が選から漏れた。他にも岩井俊二の『リップヴァンウィンクルの花嫁』や黒沢清や新海誠や片渕須直はベスト10から漏れた。なお一般公開前の作品や12月度上映開始の作品は2016年にはカウントしていない。

2016年新作映画ワースト10

2016年新作映画ワースト10
①『インデペンデンス・デイ:リサージェンス』(ローランド・エメリッヒ/アメリカ)
②『エンド・オブ・キングダム』(ババク・ナジャフィ/アメリカ)
③『ノック・ノック』(イーライ・ロス/アメリカ)
④『ジャック・リーチャー NEVER GO BACK』(エドワード・ズウィック/アメリカ)
⑤『X-ミッション』(エリクソン・コア/アメリカ)
⑥『誰のせいでもない』(ヴィム・ヴェンダース/ドイツ)
⑦『マネー・ショート 華麗なる大逆転』(アダム・マッケイ/アメリカ)
⑧『グッドモーニングショー』(君塚良一/日本)
⑨『ヘイル・シーザー』(コーエン兄弟/アメリカ)
⑩『ブラック・スキャンダル』(スコット・クーパー/アメリカ)

2016年旧作映画ベスト10

2016年旧作映画ベスト10
①『スラッカー(Slacker)』(リチャード・リンクレイター/アメリカ)
②『牯嶺街少年殺人事件』(楊徳昌/台湾)
③『タイペイ・ストーリー』(楊徳昌/台湾)
④『就職』(エルマンノ・オルミ/イタリア)
⑤『母の微笑』(マルコ・ベロッキオ/イタリア)
⑥『アタラント号』(ジャン・ヴィゴ/フランス)
⑦『犬猫 8mm』(井口奈己/日本)
⑧『喜劇 特出しヒモ天国』(森崎東/日本)
⑨『アブラハム渓谷』(マノエル・ド・オリヴェイラ/ポルトガル)
⑩『身をかわして』(アブデラディフ・ケシシュ/フランス)

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毎日のように新作の試写がある一方で、あえて足を運びたいと思う旧作はそれだけで貴重なのだが、その中でも数日前からソワソワするレベルの作品が今年も少なからずあった。当然DVDやネット配信などで簡単には観られない体験としての映画がここにある(思い入れの強い⑥と⑦と⑨は除く)。どれも海外から直接買い付け、フィルムの上に字幕を手打ちで焼き付けた作品だが、そういう輸入業者(配給業者)の情熱と苦労には改めて感謝しなければならない。中でも①は是非ともDVDリリースするべき作品だし、需要も多くはないだろうがペイ出来ないわけではないだろう。数年前は台湾マフィアに権利関係が奪われ、すっかり幻の作品と化していた②はクライテリオンに遅れること1年半、来年の秋以降にようやく日本でもDVDリリースされるはずである。

2016年DVDベスト10

2016年DVDベスト10
①『ラスト・ラン 殺しの一匹狼』(リチャード・フライシャー/71/TSUTAYA)
②『SPETTERS/スペッターズ』(ポール・ヴァーホーヴェン/80/マクザム)
③『罪の天使たち』(ロベール・ブレッソン/43/ブロードウェイ)
④『西部の人』(アンソニー・マン/58/TSUTAYA)
⑤『サミュエル・フラー・セレクション Blu-ray BOX』(サミュエル・フラー/57~64/マグネット)
⑥『殺人者はバッヂをつけていた』(リチャード・クワイン/54/TSUTAYA)
⑦『サムライ』(ジャン=ピエール・メルヴィル/67/シネフィルイマジカ)
⑧『夏の嵐』(ダグラス・サーク/44/ブロードウェイ)
⑨『大雷雨』(ラオール・ウォルシュ/41/ブロードウェイ)
⑩『十字路の夜』(ジャン・ルノワール/32/ブロードウェイ)

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DVDに関しても書籍ベスト10と以下同文であり、開封すらしていないブロードウェイとジュネス企画、復刻シネマライブラリー(TSUTAYA)のDVDが並ぶ 笑。中でも北米版DVDのみのリリースで長らくリリースが待たれていた①にはフライシャー・ファンとして狂喜乱舞した。相変わらずワーナーの旧作への情熱の薄さには辟易するものの、別業者でもリリースしてくれればこんなに喜ばしいことはない。ヴァーホーヴェンのオランダ時代の②もマニアには嬉しかった。初期不良により即廃盤になっている⑤も即プレミア化しているが、おそらく来年初頭には再生産されてお店にも並ぶはず。⑦のBlu-Rayはその綺麗なリマスターぶり(発色)に震え上がったし、失礼ながら名前しか知らなかった⑥の途方も無い傑作ぶりにも驚いた。他にも『罠』(ロバート・シオドマク/39/ブロードウェイ)、『乗馬練習場』(イヴ・アレグレ/50/ブロードウェイ)、『マルタの鷹』(ウィリアム・デターレ/36/ブロードウェイ)などクラシック・フィルム・マニア垂涎のアイテムを数多くリリースしたブロードウェイの功績は計り知れないが、出来れば単品での販売をお願いしたい。毎度、再発と廃盤になるアイテムのタイミングがわからない 笑。他にも高額だが、『プリズナーNo.6 Blu-ray Collecter's BOX』(ドン・チャフィ/67/ビクター)のリリースも好事家には嬉しかった。

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